クバール・スピアンは、カンボジア・シェムリアップ郊外にひっそりと佇む、水中レリーフで知られる遺跡。
日本からの観光客は少なく、知る人ぞ知るエナジースポットのひとつ。
川の底に直接刻まれたヒンドゥー神話の神々の彫刻と、そこを流れる清らかな水は、古代クメールの人々にとって聖なる川とされてきました。
今回は、プノン・クーレン山から流れ出るこの水が、なぜアンコール・ワットや王都の精神的中心とつながっていたのか?
そしてこの場所がどのように宇宙観・建築・信仰の起点として機能していたのかを、スピリチュアルな視点から掘り下げてみます。
クバール・スピアンとは|川の上の彫刻が残る聖地
クバール・スピアンは、カンボジア・シェムリアップ市内から車で約1時間半。
アンコール・ワットやバイヨン寺院のある市街地を離れ、北東の森へと進んだ先にあります。
この遺跡は、プノン・クーレン山系の南斜面に位置する小川沿いに存在し、一般的な寺院遺跡とは異なる特徴を持っています。
最大の特徴は、水の中に神々のレリーフが彫られていること。
川底の岩盤に直接刻まれた彫刻群は、ヒンドゥー教の神々や宇宙を象徴するリンガ(男性原理の象徴)などが中心です。
水中に彫刻がある遺跡は世界的にも珍しく、クバール・スピアンはその希少性と神秘性から聖なる川として深い信仰を集めてきました。
プノン・クーレン山とアンコール遺跡とのつながり
クバール・スピアンが位置するプノン・クーレン山は、単に自然豊かな場所というだけではなく、
カンボジアの歴史や信仰において非常に重要な聖地です。
この山は、9世紀初頭にアンコール王朝の創始者ジャヤヴァルマン2世が神王としての即位儀式を行った場所とされており、
クメール王朝のはじまりの地とされています。
また、アンコール・ワットをはじめとするアンコール遺跡群の多くの建築には、このプノン・クーレン山から切り出された砂岩が使われています。
採石された石は川の流れを利用して下流へと運ばれ、アンコールの寺院建築に用いられました。
つまり、この山は建国の聖地であり、建築の源でもあり、信仰・文化・構造のすべての根源がここにあるのです。
水と彫刻で表された宇宙の構造
クバール・スピアンのレリーフには、ヒンドゥーの神シヴァやヴィシュヌの姿、創造のエネルギーを表すリンガが繰り返し彫られています。
それらの上を流れる水は、やがてアンコール・ワットの聖域へと注がれていきます。
この構造には、神の力を水によって広げるという明確な意図があると考えられます。
川の水は単なる自然現象ではなく、神聖な情報や祝福を運ぶ聖水として扱われていたのです。
さらに、アンコール・ワットが天界の縮図として設計されたことを考えると、
クーレン山から採られた石と水によって地上に宇宙を建てるという思想が実際に実行されていたと解釈することもできます。
天の川と地上の流れが交差する場所
古代人たちは、天を流れる星の帯、天の川と、地上を流れるこの川とを重ねて見ていたとされます。
天の川が天上界と人間界をつなぐ道であるならば、クバール・スピアンの川は地上に降りた天の川としての意味を持ちます。
実際、訪れた人の中には、ここで感覚の変化や意識の整理、時間感覚の変容を体験する人もいます。
それは非現実的な体験というよりも、自分の意識が落ち着き、何かが整っていく感覚として表現されることが多いのが特徴です。
クバール・スピアンで起こる内面の変化
この聖地で感じる変化は、感情の高ぶりではなく、静かで穏やかな整理の感覚です。
1. 思考の静止と意識のリセット
川のせせらぎや周囲の自然環境に身を置いていると、頭の中で巡っていた思考が静まりやすくなります。
無理に整えようとしなくても、呼吸とリズムが自然と一致してくる感覚があります。
2. 自分のペースに戻る
心身ともに余裕がなかった人にとって、クバール・スピアンは自然とペースが落ち着いていく場所です。
思考を止めて流れに委ねることができる、という感覚が戻ってくる人もいます。
3. 意識の方向が定まりはじめる
明確なビジョンが浮かぶというより、
これでよかったのかもしれないといった納得感や、
もう一度考えてみようという前向きな気持ちが静かに芽生えてきます。
訪問に向いているタイミングと過ごし方
クバール・スピアンは、人生の転換期にある人にとって特に効果的な場所です。
こんな方におすすめです
-
意識を切り替えたい
-
判断ではなく感覚で決めたい
-
次の一歩に不安がある
-
立ち止まることに罪悪感を感じている
現地では、無理に意味を見出そうとせず、川を見たり、静かに歩いたりするだけで十分です。
乾季(11月〜4月)にはレリーフがはっきりと見え、雨季(5月〜10月)には聖水が満ちるため、季節によって異なる体験ができます。
まとめ|プノン・クーレン山がもたらす信仰・建築・意識の流れ
クバール・スピアンは、カンボジアの聖なる山、プノン・クーレンから流れ出る川の中に、
古代の信仰と宇宙観が刻まれた唯一無二の聖地です。
ここから切り出された石がアンコール・ワットを築き、
ここを流れる水が、王都へと聖なる流れを運んでいました。
建築と信仰、そして人々の意識の始まりが、すべてこの山から派生しているという視点で見ると、
クバール・スピアンは単なる遺跡ではなく、クメール文明の魂が流れ出す起点として今も静かに存在しています。
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